島根県飯南町の大しめなわ創作館｜しめ縄の制作・展示・販売

大しめ縄制作の前年である平成29年5月に田植えを行います。植えつける品種は、丈が高い古代米に近い品種の「赤穂餅」で、お米が完全に実入りいしない時期に青刈りを行い、乾燥保存します。

平成30年の春から大しめ縄の制作を行うため、平成29年の冬から、傷んだり、色の悪いわらを取り除く、調整・選別を行います。全て手作業ですので時間を要しますが、大しめ縄の美しい仕上がりに、欠かせない大事な作業です。

大しめ縄は、長さ18ｍの大蛇のようなわら束2本を撚り合わせて作ります。出雲大社神楽殿にふさわしい「大黒じめ」に仕上げるため、蓄積された長年の経験を図面におこし、慎重に作業を進めます。

大しめ縄の本体を作ります。わらを直径30cmくらいに束ねたものを何本も作り、それを繋げて徐々に太くしていきます。しっかりした強度のしめ縄を作るため、わらの束ね方、束ねる強さに経験が活かされています。

コモは、中芯を包むために編まれるもので、大しめ縄の外側の部分にあたります。中芯をきれいに包みあげるため、ブルーシートに設計図を写し、寸法に合わせて作成、長さ18m、横幅3.6mの大きなものとなります。

中芯をコモに包む作業。一同の息を合わせて慎重に行います。「大撚り合わせ」前の、迫力のある大縄が出来上がります。

大しめ縄に取りつける円錐形の「しめの子」を3つ作ります。
「しめの子」といっても出雲大社神楽殿のものになると、直径1.7m、高さ2.1m、重さ300kgとビックサイズ。きれいに切り揃えられた底面部分は芸術的です。

制作作業のクライマックスである「大撚り合わせ」。撚り合わさった部分を均等に9ヶ所作ること、真ん中のしめの子を取りつける「撚り」がしめ縄全体の中心に来ていることなど一発勝負の撚り合わせは、しめ縄職人の腕の見せ所でもあります。

撚り合わせが終了した大しめ縄を出雲大社神楽殿へ運搬し、現地でしめの子を取り付けます。古い大しめ縄を取り外し、架け替えが完了するまで1日がかりの作業となります。役目を終えた古い大しめ縄は飯南町の山で土にかえります。